日本の中学、高校の授業では発音についてはあまり重きを置いてないように思います。その原因はいろいろあるのでしょうが、いちばんの理由は教える教師がネイティブスピーカーではないから、というのが大きい気がします。
一応は発音記号などを使って発音を教えてくれますが、発音は教材のCD任せ、という先生も多いと思います。実際、私が教わった中学の英語の先生はあまり発音がよくありませんでした。通じる英語であったのかもしれないので、十分といえば十分なのですが(ネイティヴに伝えるのにネイティヴの発音である必要はありません)。やはりあまり発音がよくない先生だと、教わる方としても、やる気が萎えるものです。
また相手がネイティヴスピーカーでないと、生徒側も正しい発音で発声しなくなってしまいます。先生が日本語の発音で「アース」と言っていると、とりあえず生徒はearthの発音を「アース」と覚えるでしょう。
言葉というのは相手に伝えるためにあります。なので日本語英語を話している相手には、日本語英語で返してしまうものです。そうしてどんどん日本語英語の発音で単語を覚えていきます。
その結果として、ネイティヴの言っていることがまったく聞き取れない、という現象がおきます。学校の授業で教わったように話しているネイティヴスピーカーは一人もいないからです。
たとえばoccurという単語があります。(なにか出来事が)起こる、などという意味ですが、日本語英語で「オカー」と覚えていれば、ネイティヴがoccurといった際にはまず聞き取れないでしょう。実際には、「オクー」(オは添える程度で、こもったクー)といった似ても似つかない発音になります。
たとえば「グッド・ウィル・ハンティング」のこのシーン。
ロビン・ウィリアムズが「Something occured to me.」と言います。これはネイティブの発音で覚えていないと聞き取れないでしょう。
というわけで、リスニング能力をあげるためにも、発音をよくするためにも、ネイティヴスピーカーの会話を聞くというのは非常に重要なのです。